高校生論文コンテスト2019 審査結果(経済経営学部)

2019年12月20日トピックス

経済経営学部 審査結果

この度「京都先端科学大学 高校生論文コンテスト2019(経済経営学部)」を開催したところ、各地から158点の論文の応募がありました。これらについて本学教員により厳正な審査を行い、下記の通り各賞を決定いたしました。個人賞受賞者および学校賞受賞校には賞状と副賞を、また応募者全員に記念品をお贈りいたします。

(このコンテストの概要についてはこちらをご覧ください。)

◆最優秀賞◆ (副賞として3万円分の図書カードが贈呈されます。)

 久保 颯太(京都府立北桑田高等学校 3年) 
 「木質ペレットによる新たな農業で地域創生」(作品はこちら

◆優秀賞◆ (副賞として2万円分の図書カードが贈呈されます。)

 杉山 春陽(静岡市立清水桜が丘高等学校 3年)
 「静岡の製造業」

 前田 遥南(学校法人福井学園 福井南高等学校 2年)
 「教育と相互扶助の資本主義」

◆佳 作◆ (副賞として1万円分の図書カードが贈呈されます。)

 夏目 弥耶(東京都立国際高等学校 3年)
 「仮想通貨が経済を活性化させる」

 中 優大(東京都立国際高等学校 3年)
 「少子高齢化と年金から考える経済」

 内田 玲維(東京都立国際高等学校 1年)
 「小さなコトへの経済」

 伊藤 大貴(京都府立北桑田高等学校 3年)
 「ふるさとの縁」

 古澤 宝(京都府立須知高等学校 2年)
 「大学の学費」

 安藤 緋色(慶応義塾高等学校 1年)
 「体育会に銀行口座を!」

◆学校賞◆

 京都府立北桑田高等学校 

 東京都立国際高等学校

講 評

 本学部の「高校生論文コンテスト」は、今年で9年目です。応募論文の質は、年々向上しております。

 慎重な審査の結果、以下のような結果となりました。

 まず最優秀賞には久保颯太さんの「木質ペレットによる新たな農業で地域創生」が選ばれました。この論文の著者のお父さんは、木質ペレットを製造する会社を経営しておられますが、久保さんは高等学校で「森林リサーチ科」で学び、木質ペレット農法を用いて、家族でイチゴの無農薬栽培に成功し、これをPRすることに至ったということが論文の趣旨です。

 久保さんの論文は、この内容をきわめて簡潔に紹介し、環境問題という観点から、森林を保護し、農林業の再生に向けた活動や、これに基づく地域創生の可能性を論じています。論文の構成は実に説得力があり、審査委員の満場一致で最優秀賞に選ばれました。

 優秀賞には、杉山春陽さんの「静岡の製造業」、前田遥南さんの「教育と相互扶助の資本主義」の2点が選ばれました。杉山さんは、気候や交通の便がよく、製造業が盛んであるにもかかわらず、人口が減少している地元の静岡県に注目し、特に女性に製造業の魅力を伝えるための政策提案をしました。女性にとっての製造業のイメージを変えるための、働き方改革の提案をしました。

 また前田遥南さんは、自分自身の希望の進路に、経済的要因の厳しさが立ちはだかる現実を踏まえて、資本主義下における経済格差について調べ、おカネのイメージをポジティブにとらえることの重要性を指摘し、教育の本来の役割について考えました。これらはともに、教科書で学んだことをいっそう深め、自分の考えを述べた点で、高く評価されました。

 佳作には、夏目弥耶さんの「仮想通貨が経済を活性化させる」、中優大さんの「少子高齢化と年金から考える経済」、内田玲維さんの「小さなコトへの経済」、伊藤大貴さんの「ふるさとの縁」、古澤宝さんの「大学の学費」、安藤緋色さんの「体育会に銀行口座を!」の5点が選ばれました。

 夏目さんは、現在注目を浴びている「仮想通貨」についての識者の見解をよくまとめました。中さんは、少子高齢化が公的年金制度に及ぼしている影響に注目し、現状について改革案を示しました。内田さんは、東京オリンピックを契機に人々の「おカネ」についての考えが変わりつつあることを感じとり、訪日外国人との関係のあり方を考えました。伊藤さんはふるさと京都市「京北地域」の素晴らしさを適切に紹介し、認知度を高めるために必要なことを述べました。古澤さんは日本における大学の学費の高さを考え、大学の授業料無償化ついての議論を整理し、自らの意見を述べました。安藤さんは大学のスポーツの現状を経済的側面から考え、具体例に則して銀行口座の開設により、体育会を取り巻く環境を、大きく変えうることを述べました。

 いずれも目のつけどころが新鮮で、優秀賞を獲得しても不思議ではない作品でした。このほかに入選外となった作品にも、優れたものが数多くありました。全体として、いずれも高校生のみずみずしい発想にもとづく議論の展開があり、審査委員の気持ちをわくわくさせてくれました。

 なお、京都府立北桑田高等学校、東京都立国際高等学校に学校賞が授与されることになりました。両校で指導に当たられた先生方をはじめ、高等学校の先生方の日頃のご指導にも、深い敬意を表したいと思います。

2019年12月19日
高校生論文コンテスト2019(経済経営学部)
実行委員長 西村 周三

(経済経営学部 実行委員 教授 平田謙輔)

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