経済経営学部経済学科 平成30年度第1回研究会が開催されました

2018年05月25日トピックス

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平成30年5月23日(水)12:00より本学太秦C北館N407にて、本年度よりマクロ経済学担当の教員として就任された2名の先生方による研究報告が行われました。

第1報告では、移民がマクロ経済に与える影響に関する動学的理論・実証分析に取り組まれている木口武博准教授による「Bargaining and Immigration in a Macro Model」と題した研究論文の報告が行われました。初めに、時系列データで米国の労働分配率の低下が生じてきていることが説明され、その要因の1つの可能性として移民受け入れによる影響を指摘されました。そして、移民受け入れが受入国側の労働供給サイドの交渉力を相対的に低下させるメカニズムについて、DSGEモデルへの交渉ゲーム理論の応用を試みた理論分析に基づいた説明が展開されました。

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第2報告では、新興国における景気変動の要因等に関する研究に取り組まれている池田晃彦講師による「Learning by Doing and Business Cycles in Small Open Economies」と題した研究論文の報告が行われました。初めに、開放経済下にある新興工業国の景気変動の特徴として、消費変動率が所得変動率よりも高い値を取る傾向にあり、さらに先進国のそれと比較しても相対的に高い傾向にあることが指摘されました。そして、その説明要因の1つとして、新興工業国の生産における経験の蓄積(Learning by Doing)が経済成長を促進し、将来の所得の伸びに対する期待を通じて消費を拡大させている可能性が指摘され、そのメカニズムについて理論モデルを用いて丁寧に説明されました。

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いずれの報告も、最先端の経済理論に基づく研究であり、また限られた時間の中で参加者の理解と関心を刺激するskillfulな報告であったため、報告後の質疑応答の時間も大変に盛況となり、参加者にとっては大変に有意義な時間となりました。

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