[亀岡学]農業・青果業界にイノベーションを‼(株)トレード 京野菜洛市部 部長 木村友哉 氏

2018年06月26日トピックス

2018年6月21日、株式会社トレードの木村友哉さんに、会社の目指す「野菜の流通」についてお話し頂きました。

20180626_kameokagaku01.jpg

トレードグループは、『野菜事業を通じて新たな価値を提供する』という理念のもと、卸売市場の野菜の転送事業(全国の卸売市場の野菜の需給を把握し、需給バランスを保つように野菜を全国に転送する。(株)トレード)、実際に野菜をコールドチェーンで流通する((株)クルーズ)、野菜を生産する((株)スプレッド)、小売店に販売する((株)ディール)が有機的に連携した企業グループです。スプレッドは亀岡工場で4種のレタスを日産21,000株、けいはんな学研都市に8月から稼働する次世代型植物工場(Techno Farm)で日産30,000株、合計51,000株を生産します。

20180626_kameokagaku02.jpg

木村さんは京都野菜専門卸売業「洛市」を起ち上げました。京野菜は高いネームバリューを持ちますが、小ロット多品種生産が多く、従来の流通や販売にそぐわないものでした。そこで、京都で栽培された京野菜44種を「洛市京野菜」として、ブランド化し、全国1300店舗に卸しています。京都府一円の220農家から小ロット多品種を一定価格で買い上げ、集荷し、梱包資材も無償提供しています。農家は品質の優れた京野菜を栽培し、包装するだけで良いというスタイルにすることで、小規模農家が安定して経営できる仕組みを提供しました。「洛市」は生産者にも、どこでも食べられるという消費者にも喜んでもらえる流通形態です。現在、「洛市」の全国版「地選」を起ち上げ、各地域の直売所しかないような野菜を都市圏に流通させています。

20180626_kameokagaku03.jpg

お話から、従来の流通構造(生産者 → 出荷団体 → 卸売市場 → 仲卸 → 小売 → 消費者)を農家のメリット、消費者のメリットになる流通構造に置き換える挑戦に成功されていることを感じました。少子高齢過疎化の日本の農業において、生産者にその価値を還元するような流通が、トレードグループを成長させ、これからの農業のあり方を提案し、そして農業を応援します。

(バイオ環境学部 食農学科 深見 治一)

前の記事へ

次の記事へ

一覧へ戻る

このページの先頭へ