38℃にせまる猛暑日となった2018年7月21日(土)、バイオ環境館(京都亀岡キャンパス)の1階ロビーで、バイオ環境学部「実践プロジェクトB」のポスター発表会が開催されました。2回生の学生たちが春学期のPBL型(課題解決型)授業で、自ら選んだテーマについて研究・調査を進めてきた成果を、それぞれポスターにまとめて掲示。一斉にプレゼンテーションが始まると、質問が飛び交い、あちこちで議論の輪ができるなど、会場は活気にあふれました。
バイオ環境デザイン学科で「実践プロジェクトB」の指導にあたった丹羽英之准教授は「3・4回生で卒業研究を始める前段階として、この授業で研究・調査の進め方や手法を身につけてほしい」と語り、さらに発表会の狙いについて「他グループのポスターの要点を的確に読み取る訓練も大切。どういう表現が伝わりやすいかなど、自分の表現方法の反省にもつながるはず。研究・調査の内容も大事ですが、成果の見せ方や話し方をどう工夫できるかを学ぶよい機会なので、たくさんのポスター発表を聴いてほしい」と話していました。
参加したバイオサイエンス学科の学生は「食農は食べもの作りをテーマにした発表が多くてわかりやすい。試食してみたいと思うものがいっぱいあった。学科によって、テーマの選び方が違うと感じました」と話していました。食農学科の学生は自身の研究について、糖度や栄養価のデータ分析など今後の課題にふれながら、「廃棄野菜スイーツの商品化を目指したい。太秦キャンパスの京學堂で売れるモノを作りたいです」と研究の継続へ意欲をみせていました。また「同じ京野菜に着目しても、サイエンス学科では化粧品作りをテーマにした人たちがいた。私たち食農とは発想が違っていておもしろい」「バイオ環境デザインの、フィールドへ足を運ぶ調査手法は新鮮に感じました」などの声も聞かれました。ポスター発表会は学生たちにとって、さまざまな気づきの場になっているようです。
学生たちは自分の研究について発表する一方で、他のグループのポスター発表を聴いて、一番よかったと思う発表を学科ごとに選んで投票しました。最も多くの票を獲得したグループにはそれぞれ「最優秀賞」が贈られました。
最優秀賞を受賞した研究テーマ
- 食農学科「食べるドレッシング」
- バイオ環境デザイン学科「全国の外来魚問題」
- バイオサイエンス学科「イモリの再生能力」
バイオ環境学部の深見治一学部長は「しっかりとプレゼンテーションできていて、質問にもきちんと答えてくれる人が多かった。とても有意義な発表会だったと思います。テーマ選びには、学科の専門性が反映されていておもしろいと感じました。秋学期には『キャリアサポート実践講座』で今回の研究・調査を継続する人もいると思うので、内容をさらに深めてもらえることを期待します」と総評を述べて発表会を締めくくりました。
2018年「実践プロジェクトB」テーマ一覧
★印は各学科の「最優秀賞」
食農学科
- F-1 米粉で作る野菜パンケーキ
- F-2 パープルスイートロードを使ったお菓子
- F-3 京野菜チップス~商品化を目指して~
- F-4 京野菜「紫ずきん」を使った調理レシピの提案
- F-5★食べるドレッシング
- F-6 漬物の可能性
- F-7 廃棄野菜を使ったスイーツ~B級品をA級品に!~
- F-8 甘酒「飲める。」
- F-9 豆乳プロジェクト~京白丹波で亀岡をPR~
- F-10 米粉DEどら焼き
- F-11 京都の野菜と京都のうみ~食農でも海は見捨てない~
- F-12 TOMATOを愛する国NIPPON
- F-13 さつまいも!~6次産業化に向けて~
バイオ環境デザイン学科
- K-1 廃川、上から見るか?横から見るか?
- K-2 鉄道廃線跡(JR旧福知山線)の魅力を探る
- K-3 廃村八丁実地調査~日本の廃村を救え!~
- K-4 トロ峠復活への道のりと記憶の継承
- K-5 亀岡市のごみ分別
- K-6 コンクリートでの河川整備が水生生物に与える影響
- K-7★全国の外来魚問題
- K-8 宝ヶ池公園利用者に聞いてみた!
- K-9 ナラ枯れ調査
- K-10 劇的!宝ヶ池ビフォーアフター
- K-11 圃場整備による生態系への影響
バイオサイエンス学科
- S-1 ごみのリサイクル
- S-2 エディブルフラワー
- S-3 ベジコスメ(京野菜の化粧品)
- S-4 伝統発酵食品入浴剤
- S-5 絶品亀岡グルメ
- S-6 現代医学における再生医療の現状
- S-7★イモリの再生能力
- S-8 霧の町亀岡の真相
- S-9 蚕(耐病性の獲得)
以 上
- 対象者
- 学部・学科
- 内容