バイオテクノロジー産業の最前線「みんなに優しいバイオの夢」【バイオ環境学部】

2023年10月17日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」はバイオ環境学部の2年生以上に開講されている科目で、今後社会人になるためのキャリアアップに繋げるための15回にわたるオムニバス講義です。この授業では、産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演していただいています。

今年度の第4回は、株式会社ファーマフーズ開発部主席研究員として、機能性表示食品等を基礎研究からヒト試験まで行っている嵯峨根里穂先生と原由洋先生に「みんなにやさしいバイオの夢」と題してご講演して頂きました。

株式会社ファーマフーズは、研究素材の「たまご」を基に、いろいろな食品や医薬品の開発を行っています。

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まずは商品開発の実例として、卵黄たんぱく質を加水分解して得られたペプチドが育毛促進作用のあることが挙げられました。ペプチドは髪の毛の根元にある育毛細胞に働きかけて、育毛作用を示します。実際に、これを配合したものが製品化され好評を得ているとのことでした。

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引き続き、漬物から見いだした乳酸菌が生産するガンマーアミノ酪酸(GABA)の開発について紹介。GABAには多様な生理機能が期待されたが、実際にヒトでの効果検証が難しかったことなどの問題があり製品化の実現には困難が伴いました。色々な問題を解決した結果、機能性表示食品として申請し当局に受理されたとのことでした。

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最後に製品化されたものを紹介していただきました。実際に学生も手に取ることで、その苦労を体感していたようでした。

次回は、2023年10月20日(金)13:20から、香椎化学工業株式会社カシーテクニカルセンター開発本部学術グループ課長の村田祥全先生を講師にお招きして開催します。

(バイオ環境学部 教授 藤田裕之)

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