永野真理子講師らの論文が国際学術誌「Freshwater Biology」誌に掲載【バイオ環境学部】

2023年07月04日メディア

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図 ミジンコのサイズと捕食者の関係

2023年6月12日(月)、バイオ環境学部バイオサイエンス学科の永野真理子講師は、富山県立大学の坂本正樹准教授、韓国慶熙大学のKwang-Hyeon Chang教授、京都大学の土居秀幸教授との共同研究「Predator-induced plasticity in relation to prey body size:A meta-analysis of Daphnia experiments」が、水域生物学における重要な国際学術誌である「Freshwater Biology」にオンライン掲載されました。本研究では、表現型可塑性の進化の事例としてミジンコを取り上げ、餌のサイズと捕食者の餌サイズの好みが重要な要素であることを検証しました。

 

生物の進化や適応を解明する上で、表現型可塑性(遺伝子が同じであっても環境が異なれば、生物が示す外見上の形態的、生理的形態が異なること)が何によって発現するかは、進化生態学の分野で重要なトピックです。本研究では、ミジンコでは表現型可塑性が捕食者からの防衛が捕食者のサイズ選択的捕食に合わせて発現していると仮説を立てメタ解析を実施。仮説の通り、中型のミジンコが最も捕食者に対応できていることがわかりました。

永野先生のコメント

表現型可塑性は、ミジンコだけでなく植物にも私たち人間にもある能力です。たとえば、学習効果は同じ人でも、時間帯やその時の環境などで大きく変わることを感じたことはありませんか。私たちも、スポーツや勉強、仕事などあらゆる場面で、生まれ持った力を可塑性によって想像以上に発揮することができるのです。私はミジンコを通じて、表現型可塑性の純粋な面白さと、大変な環境を柔軟に生き抜くさまを伝えられたらと思います。

詳しい研究内容

6月12日発表の研究内容 ミジンコたちのArt of War

(研究連携センター 柴田雅光)

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