心理学科「社会・産業基礎演習」で太秦の地域づくり NPO 法人をインタビュー【人文学部】

2023年07月28日トピックス

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みのりのもり劇場の本拠「キネマキッチン」にて柴田理事に質問する受講生

2023 年 6 月、心理学科「社会・産業基礎演習」君塚洋一クラス受講生 15 名は、右京区太秦大映商店街にあ るNPO 法人「子育ては親育て みのりのもり劇場」(以下、「みのりのもり劇場」)を訪問し、同団体の活動についてインタビューを行いま した。

2 年生を対象とするこの演習では、実習を通じて社会学や社会調査の基礎を身につけ、社会とこころとのか かわりについて幅広い視野から学んでいます。人と人とのかかわりが希薄になっているのでは、といわれる 現代、私たちのこころの安定をはかる「居場所づくり」が大切になっています。

今回のインタビューでは、まず同法人が現地で運営するカフェ「キネマキッチン」にて、柴田弓理事から法 人の活動のあらましについて伺いました。翌週、改めて同法人の伊豆田千加理事長を太秦キャンパスにお迎 えし、「居場所づくり」の考え方やその実践について受講生がインタビューを実施、ディスカッションを行 いました。

大半の学生には、こうしたコミュニティづくりは、独自のノウハウと多大な労力をともなう専門的な「社会 貢献活動」であると映ります。しかし、おふたりのお話から「自分たちの子どもを自然のなかで遊ばせたい」、 「人がいつも集まれる場を作りたい」など、自分たちのやりたいことを自然に追究した結果、誰もが集える ゆるやかな「居場所」がおのずとできあがってきたことがわかりました。

インタビューの経験を通して、受講生たちは、お互いが適度な距離を保つ参加の仕方によって居心地のよい 「居場所」ができるコミュニティのしくみや、近年、社会学・臨床心理学・コミュニティ心理学などで重視 される「コミュニティ・ケア」の重要性について学びを深めたようです。

参加した受講生の声

  • みのりのもり劇場は、親子の雰囲気に合わせ交流を続けることがコミュニティの発展につながっています。そこで何 かをした思い出が孤独感を弱め、「居場所」の材料となるのではないでしょうか。キネマキッチンのように、大人が安心 できる場所を自分の手で作れば、他者にも居場所となりうると思いました。(男子)
  • みのりのもり劇場は、自発的に活動することで周りに人が集まる好循環が生まれています。自立しつつ他者とのつな がりを大切にできる人材になれるとよいけれど、過度にかかわらず距離を取り、ときには身を引くことも大切だと学び ました。(女子)
  • 「コミュニティは資産」という言葉が響きました。各々の居心地のよい所が合わさり大きな相乗効果になる。人とふ れあうためにニュートラルに聞き、話せる力が対人援助の技術にもなることに気づきました。(男子)

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太秦キャンパスでの伊豆田理事長のトークと受講生による質問

(人文学部 教授 山本淳子)

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