バイオテクノロジー産業の最前線「食品の機能性研究の社会実装」【バイオ環境学部】

2024年01月09日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。

第14回目は、カゴメ株式会社東京支社健康事業部シニアスペシャリストの菅沼大行先生に「食品の機能性研究の社会実装」と題してご講演していただきました。

カゴメ株式会社では、お馴染みのトマトケチャップやトマトジュースだけではなく、各種野菜ジュースも販売しています。日本人の野菜摂取不足が問題になっていますが、生活習慣病のほかにも認知症の予防にも関連することが分かっていることから、機能性表示食品についても幅広く展開しています。

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機能性表示食品の開発では、トマトに含まれている「リコピン」という成分に着目。善玉コレステロールと言われているHDL-コレステロールの濃度を上昇させる機能からトマトジュースを製品化しています。この製品化には、膨大な論文を集めて解析して届け出を行っています。

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最後に、いかに野菜の摂取が大切かと言うことについて説明いただきました。頭では理解できても実感することができないと生活習慣はなかなか変えられません。同社はドイツの会社と共同研究で緑黄色野菜摂取量を測定する「ベジチェック」という装置を開発していますが、学生が実際に測定したところ日本人の平均値を下回っている学生も多くいました。改めて緑黄色野菜の摂取不足を実感したようで、食生活を改善しようと学生同士で話し合っていました。

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次回は、2024年1月12日(金)13:20から、理研ビタミン(株)京都工場食品改良剤開発部イノベーションセンター第4グループリーダーの藤原和広先生を講師にお招きして行います。

(バイオ環境学部 教授 藤田裕之)

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