「スタートアップゼミII」取り組みの成果を発表~アユモドキ保全と地域活性~【バイオ環境学部】

2024年03月05日トピックス

2024年2月26日、亀岡市保津地域アユモドキ保全協議会報告会にてバイオ環境デザイン学科1年生の代表が、講義「スタートアップゼミII」で考えた「水×遊具×アユモドキ~アユモドキの保全と地域活性化の両立を目指して~」およびアユモドキの知名度アップを図ったキャラクターデザインを提案しました。

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「スタートアップゼミ」は全学部1年生対象の必修科目です。この講義では、明らかな「正解」がない課題に対して、受講学生が数人でチームを組んで調査やグループワークを行い、自らが考えて最適な「答え」を導き出すという課題解決型学習Project-Based Learning(PBL)を取り入れています。これにより、社会人として不可欠な情報収集能力や課題発見力、思考力、コミュニケーション力を向上させることを目指しています。

バイオ環境デザイン学科では、「社会の持続可能性に関する問題を自分事として捉え解決策を導き出す」という大テーマのもと、昨年10月から、1年生34名が、「アユモドキの保全を行いながら地域活性につなげられるようなアイディア」という小テーマに取り組みました。

学生は、まず、「アユモドキの保全」について、現状や背景を深く正しく理解するため、文献調査等を行いました。次に、調査した内容から課題・問題点を見つけ、それを解決するためのアイディアを出し、それのメリット・デメリットや「地域の活性化」とのつながりを思考するなど、できるだけ論理的に解決アイディアを策定できるように心がけていました。そこに、“自由に”、“若者らしい視点”でアイディアを出してほしいと教員から難しい注文が入り…

場合によっては対策が相反するような二つの課題「アユモドキ保全」と「地域の活性化」について、これらを両立するようなアイディアの提案ということで、自分たちの意見をまとめるのに苦労した班もありましたが、最後には多くの新しいアイディアが出てきました。

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その中で、学科代表に選ばれたアイディアが、H班が提案した「水×遊具×アユモドキ~アユモドキの保全と地域活性化の両立を目指して~」です。 H班は、学科代表として全学発表会でも学生や教員の前で発表してきましたが、アユモドキ保全に実務的に関わっている自治会や保全団体、農業・漁業団体や行政などアユモドキ保全協議会の各構成団体の前で提案するのは初めてです。報告会の会場からは斬新なアイディアへのコメントとともに、保全と安全面の確保に関する貴重なご意見もいただきました。報告会では、アユモドキの知名度アップを狙ったキャラクターを製作した学生が、スタートアップゼミの講義からさらに発展させ、小学生がランリュック(ランドセル)に付ける反射板のアイディアも披露しました。

発表が終わるとホッとした学生がいる中、社会での実現に向けさらなる厳しいコメントを欲した学生もいました。持続可能なアユモドキの保全をめざし、今後も学生が様々な形で活動に参加できるとよいと思います。

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亀岡市保津地域アユモドキ保全協議会の皆様には、協議会報告会への参加と発表の機会を与えていただき誠にありがとうございました。

学生がスタートアップゼミIIで提案したアイディア

  • きょうと生物多様性センターを中心とした大学・企業・市民を結ぶ保全イベントの構想
  • 氾濫原と絶滅危惧種をテーマとしたビオトープ
  • アユモドキの養殖事業
  • マスコットキャラクター制作によるアユモドキPR
  • カップルを亀岡に呼び込むためのアユモドキ利用戦略
  • アユモドキと亀岡地域を結びつけるポイントラリー
  • 流域全体における流程に適した外来種駆除

(バイオ環境学部 准教授 高澤伸江)

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