バイオ環境と社会のつながり第14回「バイオ環境と社会のつながり」を開催【バイオ環境学部】

2019年08月22日

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講義「バイオ環境と社会のつながり」は、主に入学したばかりの1年生を対象に開講しています。自然環境の劣化や生産環境の荒廃、地域社会の弱体化などの諸問題に実社会で取り組んでいるキーパーソンをお招きし、問題の社会的背景や実践事例を伺うことで、今後4年間のバイオ環境学部での学びの方向性を各人が考察するための試みです。

2019年7月16日(火)に、シリーズ講義「バイオ環境と社会のつながり」第14回が開催されました。今回は、つねよし百貨店から東田一馬様にお越しいただき、地域創生について考えました。

地域というのは、経済発展に取り残されたのではなく、独自の経済交流圏を持続してきたというのが正しい表現だとおもいます。いわゆる“田舎”が、少子高齢化や人口減少により衰退に直面している中で、その中でもいくつかの場所で人の交流を大切にし、地域社会の維持活動が行われています。つねよし百貨店を運営する東田様もその一人で、脱サラされ約10年前に京丹後市に移り住まれました。買い物難民や孤立化解消のために営業していた、地域唯一の物販施設、つねよし百貨店を引き継ぎ、地域住民の交流施設としての機能を充実させ地域づくりの拠点として運営されています。

先の東京オリンピック(1964年)の頃に日本の人口は1億人を超え、リーマンショックを機に減少に転じたそうです。また、2050年には100歳以上が100万人を超えます。人生100年時代を行きていくために、これまでに無い社会環境での生き方、また社会環境のあり方を考える必要があります。

従来のつねよし百貨店は、地域住民の生活サポートのため食料品や日用品の販売に限定されていましたが、最近では、地元農産物を仕入れる、配達をして住民を見守る、さらに世代を超えた交流の場をつくるなど、様々な情報やイベントの拠点として地域コミュニティーの機能を備えています。交流のある魅力的なまち、住み続けられるまちをつくることがミッションとなってきました。

百貨店の役割を常に自問自答され、儲からないからと言ってもその役割は終えたわけではない。198円のコンビニ弁当では家族の食事に潤いはなく、いかにもさみしい。つねよし百貨店にしか出来ない商品づくり、未来に残したいものがつねよし百貨店にある。画一的な業態では実現できないこと、ここでしかできないことを実現し、住み続けられるまちづくりを進めたい。こうした東田様の心意気を学生たちは、どのように感じたでしょうか。人と人の交流で生み出されるオンリーワンの付加価値が、未来に引き継がれることを期待します。

14回にわたってキーパーソンをお招きして行われた春学期の講義「バイオ環境と社会のつながり」は、第15回目の振り返りを終え、無事に終了しました。学生は、本講義で、自然保護からエネルギー問題、地域創生や食糧問題と幅広い社会問題について触れることができたと思います。自分の関心のある分野について問題解決に当たるために、今後、バイオ環境学部で何を学んでいったらよいか、それを考える契機となっていることを望みます。

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(バイオ環境学部 教授 藤井孝夫・准教授 高澤 伸江)

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