「シリーズ特別講義B」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~「麹の不思議」樋口松之助商店株式会社取締役研究室長:山下秀行先生

2018年12月19日トピックス

「シリーズ特別講義B」はバイオ環境学部3学科の2年生以上に開講されている科目で、今後社会人になるためのキャリアアップに繋げるための15回にわたるオムニバス講義です。この授業では、産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演して頂いています。

「麹の不思議」

樋口松之助商店株式会社取締役研究室長:山下秀行先生

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第13回は、日本酒を始め、味噌、醤油、最近では麹甘酒の製造には欠かせない会社で、研究にご活躍中の、樋口松之助商店株式会社株式会社研究室長の山下秀行先生に「麹の不思議」と題してご講演して頂きました。

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まず、簡単に樋口松之助商店株式会社についてご紹介頂き、麹菌が「黄麹菌」として国菌に認定されたことや、なぜ麹菌が「もやし」と呼ばれるようになったか、等のルーツについてもお話しを頂きました。

次に、醸造食品と麹菌との深い関わりあいについてご説明して頂き、味噌、醤油、あるいは日本酒に使用される麹菌のもつ性質の違いを、それぞれの概観だけでなく、各麹菌が持つ、たんぱく質分解酵素、炭水化物分解酵素、あるいは脂質分解酵素の活性の違いについてもお話し頂き、同じ麹でもかなりのバリエーションがあるとのことでした。

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また、実際に種麹を作る際の作業工程や温度、湿度管理、また、原料に使用するお米や大豆などの違いにより成長度合いが違うため、製品管理も大変とのことでした。

最後に、麹の新たな製品開発として、「塩麹」、あるいは飲む点滴としてよく知られるようになった「麹甘酒」、さらには医学的な見地から、歯周病対策にも効果があるとのことで、これまでに知られてない利用法についても説明され、麹の新たな可能性についてもお話しを頂き講義を終了しました。

次回は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食農ビジネス推進センター センター長の山本(前田)万里先生を講師にお招きして行います。

(バイオ環境学部 バイオサイエンス学科 教授 藤田裕之)

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