国際キョートロジー・センターの研究広報誌『京の趣』を刊行【人文学部】

2023年06月13日トピックス

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研究広報誌『京の趣(おもむき)』

本学人文学部心理学科社会・産業プログラムの「専門演習」(君塚洋一クラス)では、「社会調査を生かした市民や消費者への広報」をテーマに、京都の魅力の調査とその発信について研究しています。

昨年度、この演習のゼミ生は、人文学部国際キョートロジー・センターの活動の一環として、長い歴史と伝統のある京都の文化が今をどのように生き延びているかというテーマを立て、伝統工芸や特産品、もてなしのスペースなどについて現地探訪とインタビューを行いました。その成果である研究広報誌『京の趣(おもむき)』が2023年5月8日(月)に刊行されました。

京都には、長い文化の伝統を大切にしつつ、それらを新たな時代に適したものに変革し、より洗練されたものに高めていく気風が根づいています。

たとえば、木版画の技術は、当地出身の世界的絵師・伊藤若冲らのユニークで技巧的な作品を生むとともに、京都の呉服産業においては、和服の柄の見本帳の制作に活用されてきました。現代の京都では、そうした木版画で刷られてきた和柄の図案は、絵葉書やTシャツ、製品ラベル、観光施設の和のしつらえなど、新しい形で受け継がれています。また、決して美味しいとはいえない仏壇のお供えのお菓子であった落雁(らくがん)は、当地の革新的な落雁店によって目も彩なポップで美味しい新たな茶菓として生まれ変わっています。

この広報誌では、伝統を生かしながら時代のニーズに合ったそんな産品や空間を提供する店舗や関係者の方々のとりくみをとりあげました。かかわったゼミ生たちは、フィールドワークを通じた成長をうかがわせる声を寄せています。

<ゼミ生の声>

  • 「インタビューを行って初めて記事に書ける題材が思い浮かんだ。読者に読んでもらうにはどう書けばよいか、広報において大切な視点を学ぶことができた」(男子学生)
  • 「ネットだけでなく実際に現場に足を運ぶ大切さを学んだ。インタビューでは、その場で出た発言に反応することができた」(女子学生)
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京都の観光案内団体「まいまい京都」の山田章博さんと寺町通り界隈を探訪

(人文学部教授 山本淳子)

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