心理学科 山 愛美特任教授 寄稿 『現代思想』10月号-宮崎駿『君たちはどう生きるか』をどう観たか【人文学部】

2023年09月21日トピックス

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人文学部心理学科の山 愛美特任教授が『現代思想』(青土社)2023年10月臨時増刊号の総特集 「宮崎駿『君たちはどう生きるか』をどう観たか」に寄稿しました。

話題になった宮崎駿監督による最新長編アニメーション映画『君たちはどう生きるか』-様々な解釈、思考が生まれる豊かな作品世界に領域を超えた多彩な視点から述べられた特集記事です。

山特任教授は村上春樹氏をはじめ文学、芸術作品等を通して人間の心の深層を探ると同時に表現することへの心理的な意味について研究しています。山特任教授の寄稿をぜひご一読ください。

山 愛美特任教授コメント

7月の終わり、出版社から寄稿の依頼をいただいた時、私はまだ時間が取れずに『君たちはどう生きるか』を観ていませんでした。そこで、すぐに時間を作り映画館に行き、感動とイメージを自分の中で保ちつつ一気に原稿を書きました。事前にこの作品の情報は明らかにされておらず、キャッチコピーもないのですが、その意味がわかったような気がしました。主人公の少年が、自らこめかみにつけた傷は「痛み」を自覚しそれを引き受けることであり、それが、生と死の区別もクロノロジカルな時間の流れもない「異界」に入っていくカギにもなります。パンデミック、ロシアのウクライナへの侵攻など世界が不穏な今の時代に、この作品が作られたことにも大きな意味を感じます。ネタバレになるのでこのくらいでやめておきますが、最終的には、82歳の宮崎駿さんが「君はこの世界でどう生きるか」を私たちに問う物語だと思います。

(人文学部教授 山本淳子)

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