「バイオテクノロジー産業の最前線」~社会の第一線で活躍中の方のお話しを聴く~ 「医薬品の開発について~CMC研究と品質確保~」スペラファーマ株式会社開発分析研究本部研究員:川村達哉先生

2022年12月21日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。

第12回は、医薬品の製剤化に関する研究・開発を行うスペラファーマ株式会社開発分析研究本部の川村達哉研究員に「医薬品の開発について~CMC研究と品質確保~」と題してご講演いただきました。

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スペラファーマ株式会社は武田薬品工業株式会社からスピンアウトした会社で、特に医薬品の製剤化に特化した研究開発を行っています。医薬品の開発は、創薬から販売の許認可まで10年以上の時間を要する上、費用も数千億円単位でかかります。講演の冒頭で川村先生から説明を受けた学生たちは、お話のスケールの大きさに大変、驚いていました。

特に労力を要するのが、薬効成分を服用できる形の「くすり」に育てるCMC研究(Chemistry, Manufacturing and Control) です。「CMC研究とは、食材を食べられるように料理するイメージです。CMC研究によって、本来の薬の効き目が弱くなったり副作用が出てしまったりするため、苦労が絶えません」と、その実情について語っていただきました。

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さらに昨今、注目されている抗体医薬についても触れていただきました。「細胞培養など高度なバイオ技術が活かされて、製造・品質管理がされています」という話に聴講している学生も興味を示していました。

次回は、2022年12月23日(金)13:20から、理研ビタミン株式会社京都工場食品改良剤開発部イノベーションセンター第4グループリーダーの藤原和広先生を講師にお招きして開催します。

(バイオ環境学部教授 藤田裕之)

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