バイオテクノロジー産業の最前線「野菜摂取不足ゼロを目指して」【バイオ環境学部】

2023年01月13日トピックス

「バイオテクノロジー産業の最前線」は、バイオ環境学部の2年生以上が対象の科目です。社会に出てからのキャリアアップを目的に、15回にわたってオムニバス形式で開講しています。産業界(食品、化粧品、医薬品、等)あるいは研究機関の第一線でご活躍されている方を講師にお招きし、講演いただいています。

第14回は、野菜やトマトに含まれる機能性成分の研究と商品開発を行っているカゴメ株式会社東京支社健康事業部シニアスペシャリストの菅沼大行部長に「野菜摂取不足ゼロを目指して」と題してご講演いただきました。

カゴメ株式会社は、トマトケチャップやトマトジュースをはじめ、各種野菜ジュースも販売しているほか、今、注目の機能性表示食品についても幅広く展開しています。菅沼部長は日本人の野菜摂取不足の問題にも触れられ、「食生活の改善を促すことで生活習慣病や認知症の予防を呼び掛けています」と述べられました。

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機能性表示食品の開発では、トマトに含まれる「リコピン」という成分に着目。リコピンが持つ善玉コレステロールの濃度を上昇させる機能をもとに、同社はトマトジュースの製品化に成功しました。「膨大な論文を集めて、解析したデータをまとめて製品化を実現し、多くの方に我が社の製品をお届けすることが出来ました」と当時を振り返る菅沼部長の姿に学生たちも感心した様子でした。

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また、ドイツの企業と共同研究で開発した「ベジチェック」という装置で緑黄色野菜摂取量を測定。学生たちは緑黄色野菜の摂取不足を実感したようで、食生活を改善しようとお互いに話していました。

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次回は、2023年1月13日(金)午後1時20分から、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社検査部長の竹内正樹先生を講師にお招きして開催します。

(バイオ環境学部教授 藤田裕之)

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