バイオ環境学部 食農学科

新種苗開発センター

新種苗開発センターでは、野菜の品種改良と新品種の苗生産システムの構築という2本の柱を中心に活動しています。

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新種苗開発センターの栽培施設

品種改良

種子を使わずに栄養繁殖する野菜を中心に品種改良を行っています。従来の交雑育種や、植物本来が持つ潜在能に着目して長年をかけてその能力を伸ばす方法を駆使して、よりよい高性能な品種を育成しています。

苗生産システムの構築

栄養繁殖には親と全く同じ個体を増殖することができるという長所があります。しかし、もし親が病気にかかっていた場合、次の世代に親が持っている病気、特にウイルス病が伝搬してしまいます。そこで、組織培養の技術を使って無病苗を作り、生産に使えるようなシステム作りを進めています。

研究テーマ

ダイジョ(Dioscorea alata: 「かめまるいも」)の選抜育種と無病苗生産

ダイジョは亜熱帯の植物なので寒さに弱いですが、白色系統では十分な耐寒性を持つ系統が得られています。現在はその系統の組織培養による増殖体系を作っています。また、紫色の系統はアントシアニン含量が高いので食事に彩りを添えたり、自然着色料としての利用が期待できます。しかし、未だに低温耐性のある系統は得られていないので系統選抜を行います。

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11月下旬、耐寒性を持つように改良したダイジョ「かめまるいも」の状態です。上層の葉は枯れ始めていますが中はまだ元気です。そしてできたイモを切ってみると中は真っ白です。

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試験管の中で育つダイジョの無病苗。

単為結果性トマトの育種と苗生産

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単為結果性とは受粉しなくても果実ができる性質です。トマトは特に寒い時期はうまく花粉ができず結実しません。そのため農家は加温したりホルモン処理をしますが、この単為結果性トマトはその必要がなく、「省エネ栽培」が可能です。しかし、種がほとんどできないのでやはり増殖には組織培養が必要です。培養で保存し、増殖した苗を接ぎ木苗として農家に渡せる技術を開発中です。

おいしいマクワウリの育種

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マクワウリのタイガーメロン

マクワウリは日本で古くから栽培されているメロンの仲間です。丈夫で栽培しやすいと言う特徴がありますが、果肉は薄く、それ程甘くありません。マクワウリ同士の交配を行い、高品質果実をつける個体を選抜します。その株を組織培養で増殖して生産用の苗とする技術の確立を目指しています。

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