京都先端科学大学

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Departmentバイオ環境デザイン学科

ランドスケープデザイン研究室

更新日:2019年9月13日(金)
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生態学を学び、未来の自然環境を守り、創る
食糧や水の供給、気候などの調節、癒し効果、物質の循環など、私たちは生態系からさまざまな恩恵を受けて生きています。自然のしくみを学び、それらの原理に迫る「景観生態学」をもとに、持続可能な美しい「生物親和都市」の姿をデザインし、豊かな環境を保全・再生させることが本研究室の目的です。
教員紹介

阿野 晃秀

コメントなし

丹羽 英之

コメントなし
Pick UP!
ドローンで大地をスキャンする
豊かな生態系を保全・再生させるためには、生態系の健康診断をする必要があります。生態系の健康診断は、様々な視点で生態系を“鳥瞰”する「景観生態学」の得意技。森や川、農地、様々なフィールドにおいて、様々な生き物を指標に分析・評価。そこに、社会制度や人の営みなど社会学的な観点を加えて評価することも景観生態学の特徴です。景観生態学が得意とする“鳥瞰”を、いつでも簡単にできるようにしてくれるのがドローン。ドローンの登場で景観生態学の分析方法が大きく発展、今までになかった視点で生態系の健康診断をすることが可能になってきています。ランドスケープデザイン研究室では、日々、ドローンで大地をスキャンし生態系の健康診断に取り組んでいます。
日本庭園に隠された『雨庭』の知恵
近年、気候変動に伴い雨の降り方が激しくなっています。特に都市圏では、従来の排水施設の処理能力が追いつかず、大小様々な水害が頻発するようになってしまいました。そこで、世界的に注目を集めている対策が「雨庭」です。雨庭とは、雨を受け止め貯留・浸透させるための緑の空間のことです。治水防災に役立つだけでなく、水質を浄化し、植物を育み、ヒートアイランド現象を緩和しながら、美しい生活環境に貢献するなど、一石何鳥もの効果が期待されています。欧米で先進的に取り組みが進められてきた雨庭ですが、実は同じ発想が古くから日本にあったことが分かってきました。日本庭園や寺社仏閣の境内が、実は雨庭の機能を持っていたのです。ランドスケープデザイン研究室では、ドローンや写真測量などの先端技術を活用し、文化財である庭園を傷つけることなく、伝統的な空間の雨水処理能力の定量評価に取り組んでいます。
卒業後の進路
環境コンサルタント、造園建設業、緑化資材メーカー、公務員(地方自治体、宮内庁)、教員(理科、農業)、大学院進学

研究内容

都市に森を創る

大阪万博記念公園の森は都市に大規模な「自立した森」と呼ばれる郷土の森を再生する壮大なプロジェクトです。森林の現状を評価し、森林のマネジメント手法を検討するため大阪府や他大学と共同で研究を続けています。近年では、ドローンや自動撮影カメラ、360℃カメラなど、最新の技術を取り入れた調査手法を提案しています。

外来種の侵入を予測する

外来種は生態系に大きな影響を与えます。しかし、一度侵入すると、その根絶は困難です。地理情報システム(GIS)を使い空間解析することで、外来種が侵入しやすい場所を予測することができます。里山に侵入するナンキンハゼや水田に侵入するスクミリンゴガイなど、生態系への影響が顕著な種を対象とした研究を行っています。

和の花で都市を守る

日本における「雨庭」の導入はまだ始まったばかりです。従来の花壇等とは異なり、水に浸かったり干上がったりと、雨庭はその環境の変化が激しいことが特徴です。そのため、雨庭に適した植物の選定や土の配合などの研究が必要とされています。当研究室では、地域の文化に関わりの深い草花や絶滅危惧種の保全場所として雨庭を活用することも見据え、在来種を用いた緑化実験を進めています。

デザイン提案とモニタリング

亀岡市・京都市・福岡市などを中心に、実社会における雨庭のデザイン提案・監修にも取り組んでいます。また、完成した雨庭の貯留・浸透能の計測や、植物の生育状況の経過観察など、雨庭のマネジメント手法を検討するための研究にも取り組んでいます。

農業と生物多様性

長い時間をかけて築かれてきた農地は、人為的に改変された生態系であるものの、多様な生物を育んできました。しかし、農地の整備や農法の変化により、生物多様性が低下しています。人の営みの影響が大きい農村生態系は、景観生態学の格好の研究対象です。ここでも、ドローンをつかい、これまで捉えることが難しかった農地の構造や営農の変化などを評価する研究に取り組んでいます。

河川生態系

河川生態系は流水や流砂によるかく乱によって持続する動的な生態系です。亀岡盆地は氾濫原の特徴を持った河川が今も残っています。植生を中心に様々な生物を対象に研究を行っています。ここでも、ドローンを使い、これまで直接観察できなかったかく乱の様子を連続的に捉えることに挑戦しています。

卒業研究の一例

  • 本梅川のノウルシの経年変化と生育要因に関する研究
  • 亀岡の河川におけるゲンジボタルの分布に関する研究
  • 亀岡の河川における農業濁水に関する研究
  • 亀岡盆地に見られる湧水に関する研究
  • ため池におけるオニバスのフェノロジーに関する研究
  • 京都市の巨樹銘木の変遷に関する研究
  • 都市近郊里山林における外来種侵入に関する研究
  • 造成森林における森林構造の評価に関する研究
  • 造成森林における動物の利用実態に関する研究
  • 農地の圃場整備による景観構成要素の変化に関する研究
  • 遊水機能を持つアユモドキ共生公園のデザイン提案
  • グリーンインフラにおける「雨樋アート」の発生と展開
  • 雨庭の貯留機能の簡便な定量評価の提案
  • 京都市内における雨庭の適地選定マップの作成
  • 城下町都市亀岡の山当ての実態に関する研究